制作:東洋経済広告企画制作部

東日本大震災からの教訓 −想定外の危機を乗り越えるための事業継続計画・マネジメント−

セッション講演

想定外を切り抜ける自律的な危機管理

株式会社ドリーム・アーツ代表取締役社長
山本 孝昭氏
ドリーム・アーツは、情報共有やナレッジマネジメント領域のパッケージソフトウェアを開発、販売する独立系プロバイダ。450社を数えるユーザーリストには、日本を代表する著名な企業の名が並ぶ。3月11日以降は、共通した数多くの相談が寄せられているという。

アナログ時間を取り戻すためのIT

株式会社ドリーム・アーツ代表取締役社長 山本 孝昭氏
株式会社ドリーム・アーツ代表取締役社長
山本 孝昭氏

ドリーム・アーツは、ビジネスに「良質なアナログ時間」を取り戻す、というおよそIT企業に似つかわしくないスローガンを掲げてきた。なぜか。

「ITにできることはさっさと済ませて端末の前から離れ、もっともっと現場に触れていただきたいのです」と山本孝昭氏。「3月11日以降、携帯電話が機能しない中での安否確認や情報収集、随時決定される情報を伝達する方法など、数多くのお客様から共通した課題感のご相談をいただきました。つまり、そうした仕組みを普段から利用しているグループウェアなどの情報共有基盤に載せられないかという内容だったのです。

そこで、これからのBCMのあり方についてお客様やパートナーの方々とのディスカッションを重ね、共に考察を深めながら協働、協創で『日の丸BCM』を離陸させなくてはならない、と確信するに至ったのです」と続ける。

『日の丸BCM』という最適な解

お客様との対話からもシナリオ型BCPの限界は明らかでした。その中で想定外の事態に対応するためには自律的な現場力が不可欠であり、初動期における緊急事態管理が被害の最小化と復旧へのトレンドを左右するとの基本認識が共有されている。

『日の丸BCP』という最適な解

「お客様とのディスカッションで、復旧や回復期に偏重した既存のBCMでは不十分だ。しかし、すぐに完璧な仕組みを構築することは難しいし、そもそもどこまでコストをかけて突きつめるべきなのか判断が難しいなどの課題も共有することができました」と山本氏。「そして、ディスカッションの度に『他社はどのように対応しているのだろうか。優れた仕組みやアイデアを共有することはできないか』というフレーズを何度も耳にしました」。

やはり、多くの企業はBCMを事業上の競合要素とは認識していない。とすれば、さまざまな企業が知恵を出し合って共に育成し発展させていく仕組みの可能性も現実味を帯びていく。「そこで、使えるメディアや道具ならば何でも取り込める仕組みをクラウドで提供するBaaS、すなわちベストプラクティス・アズ・ア・サービスという解にたどり着いたのです。

最良のお手本を共有し、育成していくようなエコシステムとしての日の丸BCMコミュニティを創り、その活動をファシリテイトするのが私どもの新たな使命だと信じています」と山本氏。「今年中にはコミュニティを組成する」との宣言でセッションを終えた。