クラウド時代の業務効率化戦略 ─ 組織を支えるITの力、新たな価値の創造 ─

ITが急速な進化する一方で、それらをいかに効率よく使いこなすかが、ビジネスの成功の鍵を握っていると言える。
3月23日、東京中央区・野村コンファレンスプラザ日本橋では、こうした進化を先取りしている企業の事例とともに、
「ITを活用した生産性の向上、事業規模の拡大」「組織の活性化」「顧客への新たな価値創造」など、
コミュニケーション新時代の業務効率化戦略について考察、検証するフォーラムが開かれた。

主催:東洋経済新報社 協賛:NTTドコモ 会場:野村コンファレンスプラザ日本橋 6階大ホール
制作:東洋経済広告企画制作部

■特別講演 ライフネット生命の経営戦略

ライフネット生命保険 代表取締役副社長 岩瀬 大輔 氏ライフネット生命保険
代表取締役副社長
岩瀬 大輔 氏

 特別講演気如▲薀ぅ侫優奪叛弧進欷院‖緝充萃役副社長の岩瀬大輔氏は、ネット専業生命保険会社の草分けとしての同社の成長の歴史および、それにともなうITの活用方法について語った。

 同社は、人件費のかかる営業職員を抱えず、商品も特約のないシンプルな設計にするといった、いわば既存の保険業界に対するアンチテーゼとして誕生した。シンプルで分かりやすく料金も手ごろなことから、特に20〜30代の若年層の支持を集め、着実に成長しており、今年3月15日には、ネット専業生保として初めて東証マザーズに上場した。

 インターネットを主な販売チャネルとする新しいスタイルの生命保険会社を成功させるためには、バックエンドとWebの2つのITの品質が重要であると岩瀬氏は説明した。

 多くの生保会社では、依然として契約情報などを手作業で入力している。それに対してライフネット生命保険では、契約情報をWebで完結させるために、相当な試行錯誤とテストをくり返したという。人材採用についても、Webサービスなど軽くて柔軟なシステムに携わった人材のみならず、金融機関の基幹系システムなど堅牢なシステム構築の経験者などをバランスよく拡充していった。

 「経営者からスタッフまで、全員がITに関心を持つことが大切」と岩瀬氏は指摘する。その一環として、創業当時から活用しているのが社内SNSだ。スタッフ間の意見交換や業務上の問題点を相談し合う場になっているようだ。同社ではこのほか、社員によるブログや、出口治明社長自らがアカウントを持つツイッターなども活用している。積極的な情報発信は、SEO対策の観点でも効果があるという。

 「当社の理念は守りながら、お客様が求めていることを追求していきたい。それを形にするのがIT」と岩瀬氏は話した。

■基調講演モバイルの「トレンド」と「ワークスタイル」の変化
〜スマホ活用で中小企業の経営力を強化する〜

NTTドコモ 東北復興新生支援室担当部長 佐藤一夫氏NTTドコモ
東北復興新生支援室
担当部長
佐藤 一夫 氏

 特別講演気紡海、NTTドコモ東北復興新生支援室 担当部長の佐藤一夫氏による基調講演が行われた。佐藤氏は入社以来開発畑を歩み、モバイルソリューションビジネスの開拓にも携わってきた。2011年12月からは東北復興新生支援室に参加し、モバイルを活用した被災地支援活動などに携わっている。

 佐藤氏は講演の冒頭で、NTTドコモの「ケータイトレンドキーワード」として、「顧客満足度ナンバーワン」、「スマートフォン」、「LTE(高速無線通信網)」、「復興」を掲げていることを紹介した。

  同社はスマートフォンの急速な普及、LTE「サービス名:Xi(クロッシー)」の整備など端末やインフラ環境の変化に伴い、新しい価値の創造・市場の創出を目指しており、「中期ビジョン2015」の3つのクラウドサービス「パーソナルクラウド」、「ネットワーククラウド」、「ビジネスクラウド」により、一人ひとりのスマートライフの実現を掲げている。

 「パーソナルクラウド」は、ケータイのバックアップ、購買、医療、学習など、さまざまな産業・サービスと融合することで新たな価値を提供し、「ネットワーククラウド」は、同時通訳電話など、高度な情報処理・通信処理を実現する。そして、「ビジネスクラウド」は、場所・空間にとらわれないワークスタイルを実現するための環境を創出する。

 また、被災地支援活動(復興)を通じて、企業システムにおける災害に対する事前リスクヘッジ、災害後のシステム早期復旧など、BCPへの取り組みの重要性を再認識し、低コストで、短期間で導入・利用ができる「法人向けクラウドサービス」の導入を推進している。佐藤氏は、導入事例を交えながら「スマートフォンやタブレット端末など企業でのモバイル活用が加速している。当社では中堅・中小企業でも手軽に導入できる法人向けモバイルソリューションを展開しており、それによって多くの企業が業務のスピードアップや効率化、売上の向上に役立っている」と締めくくった。

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■特別講演 リクルートが目指す2軸のIT進化

リクルート MIT United局長 小林 大三 氏リクルート
MIT United 局長
小林 大三 氏

 特別講演兇任蓮▲螢ルート MIT United局長の小林大三氏が、同社におけるIT活用の考え方を紹介した。

 MITとは「Marketingand IT」を意味し、その名のとおり、マーケティングとITを統合した部署である。同社では、ネットマーケティングやビッグデータ分析、大規模プロジェクトなど専門性が求められる領域はMITが担うが、ビジネス部門とITの融合を進めるために一部のカンパニー(事業部)にIT部門を配置する動きを進めている。

 その背景には、同社を取り巻く環境の変化がある。同社は、就職、住宅購入、旅行、飲食などさまざまな情報提供を通じて、広告主と個人ユーザーのマッチングを行うが、急速にネットを中心としたビジネスモデルに変化をとげている。同社においてはすでにITコストとマーケティングコストの合計がチャネルコスト(営業コスト)を上回っているというから驚く。

 ネットビジネスの比重が増す中では、「トライ&エラー」を数多く行うことが重要であり、その実現に向けて「企画からリリースまでのスピードの追求」が求められるという。

 したがって小林氏は、スピードを追求するためにビジネス部門もITマネジメントが重要と話した。ビジネス部門がIT投資判断を引き受ける覚悟を持ち、ITの現場で起こりがちな力学を理解した手法を選択することが大切だという。同社ではそのために、全社共通のIT投資判断の整備や、各種研修や情報共有のための会議も入念に行っている。

 一方でIT専門組織は新技術へ常にチャレンジし、会社全体の競争力を構築することがミッションだという。

 「ITのマネジメント機能が分散化していく中で、リクルートのアプローチとしては、ビジネス部門、専門組織の2軸それぞれを進化させていくこと。ITのマネジメントをビジネス部門が担うのか専門組織が担うのかを見極めるのが、ガンバナンス上のポイント。」と小林氏は語った。

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NTTドコモ 公式サイト