ソーシャル・マネジメント・フォーラム2012レポート

ソーシャル時代の新経営戦略とは!

―ソーシャルCRMが切り拓く顧客価値創造―

3月8日、東京港区のホテルフロラシオンで「ソーシャル・マネジメント・フォーラム2012」が開かれた。
今やツイッターやフェイスブックは、顧客の声を聞き、分析するための重要な対話チャネルとなっている。
新たなコミュニケーションツールとしてのソーシャルCRMは、どのような価値を創造することができるのか――
ソーシャルメディアへの関心の高さを示すように、満員の聴衆は3人のゲストスピーカーの話に
最後まで熱心に聞き入っていた。

主催:東洋経済新報社 協賛:NTTコミュニケーションズ

制作:東洋経済広告企画制作部

NTTコミュニケーションズが
提供するソーシャルCRMツール

Listen = 顧客の声を聞く

BuzzFinder 公式サイト

Twitterやブログ上の顧客の“生の「声」”から企業や商品・サービスに関する書き込みの傾向や評判などを収集・分析し、マーケティング活動や風評リスク対策を支援するクラウドサービスです。

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Engage = 対話を通して絆をつくる

cowtweet 公式サイト

TwitterやFacebook上において、顧客と企業との積極的なリスニング・対話によりエンゲージメントの実現するソーシャルメディア活動支援ソリューションです。

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お問い合わせ先

NTTコミュニケーションズ 公式サイト

【エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ】
アプリケーション&コンテンツサービス部
マーケティングソリューション部門
串田・鬼澤・尾平野(おびらの)
Tel 03-6733-9615
E-mail marketing-info@ntt.com

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【特別講演Ⅰ】SNS時代のマーケティングは「無作為の作為」

良品計画 代表取締役社長 金井 政明氏
金井 政明
良品計画
代表取締役社長

 フォーラムはまず、良品計画代表取締役社長の金井政明氏による特別講演で幕を開けた。金井氏は、ソーシャルメディアを活用している立場として自社の経験も踏まえながら、文明史論的な切り口でソーシャルメディア時代のマーケティングについて語った。

 同氏が最初に指摘したのは、現在が「マーケティング3.0」の時代を迎えているということ。そうした時代にあっては、一般の人々一人ひとりの課題が社会の課題でもあり、ビジネスの課題でもある。だからこそ顧客とのコミュニケーションが大事になるのだという。

 そのコミュニケーションツールとして、同社はウェブサイトに加え、ツイッターやフェイスブックも活用している。金井氏によれば同社のネットメンバーは300万人、フェイスブックの登録者は国内40万人、海外32万人。店舗でスタッフが直接聞いた話も含めて、同社には年間17万件の顧客の声が届く仕組みができている。また、商品に関する情報を顧客同士がやり取りすることも多く、宣伝をしなくてもメディア上で商品情報が広がっていく「いい時代になった」という。

 そうした事象をとらえ、「今は100人に情報を伝えれば、100万人に拡散していく。ソーシャルメディアは、当社が顧客と一緒になって議論する場になってきた」と強調。ビジョン、競争戦略、オペレーションという従来の経営3要素に加え、これからは顧客とのコミュニケーションが第4の要素になると指摘した。また、社会的な意義のあることなどをすると、ソーシャルメディアの発信力によって広く伝播し、それが企業のパワーにつながるとも示唆した。

 同社は、「ソーシャルメディアを通して好きになった会社」という調査で第1位に選ばれている。それだけに金井氏の話には説得力があり、熱心にメ モを取る参加者も少なくなかった。

【基調講演】ソーシャルテクノロジーがもたらすビジネスインパクト、その経営への活用

NTTコミュニケーションズ
アプリケーション&コンテンツサービス部 マーケティングソリューション部門 部門長 塚本 良江 氏
塚本 良江
NTTコミュニケーションズ
アプリケーション&コンテンツサービス部
マーケティングソリューション部門
部門長

 2番目に登壇したNTTコミュニケーションズのアプリケーション&コンテンツサービス部マーケティングソリューション部門長の塚本良江氏は「ソーシャルテクノロジーがもたらすビジネスインパクト、その経営への活用」というテーマで基調講演を行った。

 塚本氏は、それぞれの企業文化に適した活用の仕方があることを前提にしたうえで、ソーシャルメディアが急激に伸びている現状を紹介。人々のメディア接触がテレビなどの既存メディアからオンライン中心へと変容している中で、企業と顧客の間のコミュニケーションが質的に変化していると指摘した。その流れを、これまでの「伝える=Communication」から「共有し、絆をつくる=Relationship」への転換と定義している。

 ここでまずすべきは、「顧客の声を聞く=Listen」こと。ツイッター上では、全世界のツイートの35%が商品やブランドなど企業に関する顧客の声であるという。ソーシャルメディアを利用すれば、従来はなかなか聞くことのできなかった顧客の本音をリアルタイムで収集・分析する「ソーシャルリスニング」が可能になる。すでに、競合他社と自社の評価の違いや改善につながる本音を発見してブランド戦略、カスタマーサービス改善に役立てる企業も増えつつあり、新たなビジネスチャンスを発掘する場となっている。

 さらに塚本氏は、ソーシャルメディアを介して顧客と「対話を通して絆をつくる=Engage」もポイントだと強調した。丁寧なサービスや企業の理念を顧客に伝えることなどを通して、企業の認知度、ブランド価値などを向上することができれば、中長期での売り上げ向上にもつながっていくと指摘。 グローバルな事業戦略上に位置づけ、積極的に活用している企業があることも示した。

 そして最後に「大事なのは戦略の目標を決め、それに必要なテクノロジー、オペレーション態勢を整えること。そうすれば、ソーシャルメディアは大きなビジネスチャンスにつながる」と結んで、満場の共感を呼んだ。

顧客の声を聞く
BuzzFinder 公式サイト
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対話して絆をつくる
cotweet 公式サイト
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【特別講演Ⅱ】140文字がもたらすもの:ビジネスを拡大できる情報プラットフォーム

ツイッタージャパン 営業戦略統括/ Head of Sales Strategy 葉村 真樹 氏
葉村 真樹 氏
ツイッタージャパン
営業戦略統括/ Head of Sales Strategy

 フォーラムの最後を締めくくったのは、ツイッタージャパン営業戦略統括の葉村真樹氏による特別講演。登壇すると葉村氏はまず場内のツイッター利用率を確認した。参加者のほぼ半数が手を挙げ、ソーシャルメディアの急速な普及ぶりが如実に示された。自分の会社がアカウントを持ってツイッターを利用しているかという質問に手を挙げた参加者も、ほぼ半数であった。

 本題に入ると葉村氏は、ツイッターを利用していない参加者もいることに配慮し、最初にツイッターの用語など基本的なことを説明。ツイッターのミッションは「一瞬で世界のすべての人を、その人が最も大切だと思うことにつなげること」だと強調した。また、ツイッターの創業者であるジャック・ドーシー氏自身は「ソーシャルメディアと名乗ったことはなく、インフォメーション・プラットフォーム、あるいはコミュニケーション・プラットフォームと称している」というエピソードを紹介した。

 さらに葉村氏は、ツイッターの特徴として「興味、リアルタイム、拡散力」という三つをあげた。ツイッターが、興味でつながるプラットフォームであり、リアルタイムで情報が取れ、ものすごいスピードで情報を広げる力を持っている、というのがその骨子だ。 そしてこれらの特徴を持っているプラットフォームは、マーケティングに活用すると非常に有効であることを海外の実例を紹介しながら説明した。米国ではツイッターをテレビ番組の構成自体に活用するケースも増えていると指摘した。

 最後にツイッター内のアカウントなどを広告に活用できる同社の「プロモ商品」について解説し、すでに日本でも利用企業があることを紹介。「人を巻き込んで、動かし、情報を拡散していくツイッターは、140文字でメディアのあり方を変えることができる」と結論づけた。この力強いメッセージに、参加者の多くはあらためてソーシャルメディアの可能性の大きさを実感したのであった。