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―― 欧米では、プラスチックカード型のギフト・プリペイドカードが広く普及しているそうですね。
宮居 アメリカでは、サンクスギビングデー(11月の第4木曜)後から始まるホリデーシーズンに、プレゼントを交換する習慣があります。国民性の違いもありますが、ギフトを受け取った側は、その商品が気に入らなかったりすると、それをお店に持って行き、同等金額の商品と交換することもあります。
そうした背景から、アメリカでは始めから好きな物を買ってもらえるように、現物よりもギフトカードを贈ることが流行したのです。スーパーやドラッグストアには、「ギフトカードモール」という棚があり、色とりどりの美しいデザインを持つ多様な店のギフトカードが陳列、販売されています。
ホリデーシーズンはアメリカの流通業の年商の約4分の1を占めると言われる、かき入れ時ですが、最近はギフトカードが普及した影響で、実際に物が買われる時期が1〜2カ月遅くなったと言われています。
―― 日本では、プラスチックカード型ギフトカードの市場はどんな状況になっていますか。
宮居 本格的な普及は、これからという状況です。しかし、最近では日本でもギフトカードモールが登場し、多様な業種でギフト・プリペイドカードが浸透してきています。 すでに、発行額で数千億円規模の市場になり、今後はさらに拡大すると見込まれています。
そうした背景から、アメリカでは始めから好きな物を買ってもらえるように、現物よりもギフトカードを贈ることが流行したのです。スーパーやドラッグストアには、「ギフトカードモール」という棚があり、色とりどりの美しいデザインを持つ多様な店のギフトカードが陳列、販売されています。
ホリデーシーズンはアメリカの流通業の年商の約4分の1を占めると言われる、かき入れ時ですが、最近はギフトカードが普及した影響で、実際に物が買われる時期が1〜2カ月遅くなったと言われています。
若年から高齢者まで扱いやすく、安全
―― ギフト・プリペイドカードをプラスチックカード型にすることによるメリットは何でしょう。
宮居 消費者側から見れば、携帯しやすく、支払いで小銭がいらないなどの利便性があります。従来の紙の商品券は紙幣以上にかさばっていましたが、プラスチックのカード1枚なら、手軽に持ち歩くことができます。
このため、こうしたカードは意外にも高齢者の利用が多いという特徴があります。実際、ある流通系の電子マネーカードは、お年寄りがカードをポケットに入れて散歩に出掛け、途中で少し寄り道してスーパーで買い物をするという使い方も目立っているそうです。ギフト・プリペイドカードにも同様の効果が期待できるでしょう。
セキュリティの面でも、たとえば、ギフトカードのほとんどはカード自体ではなく、利用時に通信接続するホストサーバーでカード番号をベースに、何円分の電子バリューが残っているかを管理する「センターバリュー方式」を採用しています。 もし、なくしたり奪われたりしても、カード番号や所有者確認ができれば、使用を止めることができるため、現金よりも安心できる仕組みなのです。
また、同じプラスチックのカードでも、クレジットカードは、原則、高校生以下が利用することはできません。しかし、ギフト・プリペイドカードなら、低年齢層から高齢者層まで、幅広い顧客に対応できるところも魅力です。
金融ITコンサルティング部
上級コンサルタント
東京大学大学院情報学環教育部客員講師。大手カード会社にて事業企画部門、セキュリティ部門を経て1997年よりICカードおよびネット決済を担当。カード業界代表幹事として国土交通省や旧道路公団、自動車業界、電機業界とETCを創造するなど業界のIC化を牽引。2005年より同社にてカードや電子マネー事業企画および決済関連コンサルティングに従事。著書に『2015 年の決済サービス』など