制作・東洋経済広告局企画制作部
事業再生・ベストパートナーズ・ガイド
「事業再生は、今の日本にとって、最も大事なテーマ」と語るのは、中央大学法科大学院で教鞭を執る野村修也教授。
以前、年金記録問題特別チームの室長を務めたことでも知られる野村教授は、ビジネス法務の専門家だ。
野村教授は、現在は日本の産業全体が構造転換をも迫られている局面といえるが、だからこそ自社を大きく変革するチャンスが訪れていると指摘する。
本特集では前段で野村教授に事業再生の要諦を語っていただいたうえ、後段では具体的にどういうソリューションが奏効するのかをパートナー企業各社にうかがった。
会社の事業を守り有用なビジネスを守る
事業再生と一言でいっても、内容はさまざまです。かつての事業再生は、古い体質の企業が自力では改善できなくなり、不良な資産に押しつぶされているという例がほとんどでした。それに対して昨今の事業再生は、経済状況が急激に悪化したことが要因となっているケースが多くなっています。両者の違いにかかわらず共通している、事業再生とは、あくまでも会社の事業を守り有用なビジネスを守ることであるという点です。オーナーや経営者の身分を守るものではないのです。日本にとって重要なビジネスや大量の雇用が関わるようなビジネスは、何らかの方法で救うべきであるというのは当然の考えといえます。
ただし、昨今の状況下においては、事業再生に高い技術やノウハウが要求されるようになっています。というのも、かつては事業再生が必要な企業でも体質改善から始めて間に合うことが多かったのですが、現在ではいきなり緊急事態に陥るところが少なくないからです。事業再生が時間との戦いになることもあり、これをサポートする専門家にも迅速な判断が求められます。
事業再生にはグラデーションがある
最近、上場企業の破綻が増えています。優良だと思われていた企業が突然、会社更生や民事再生などの申請をしたというニュースもよく耳にします。確かに従来に比べれば突発的な印象を与えていますが、よく調べてみると、随分と早い段階からその原因が生じているケースが少なくありません。経営破綻も、企業がつねに抱える数多くのリスクの一つであり、日常の経営とつながっているものなのです。
企業が破綻に至る要因の一つに、資金繰りの悪化があります。常日頃から資金調達の手段等をチェックし改善しておけば、破綻を防ぐことができたケースも見受けられます。会社更生法や民事再生法は、「すでに危機的状況に陥ってしまった会社を生き返らせる」ものと表現できますが、その前の段階、すなわち「ちょっと元気がなくなった企業」には会社法が適用されます。だから、両者を別物と考えるのは誤り。事業再生とはグラデーションがあるものであって、これと無縁の企業は存在しません。両者をつなぐ考え方として大切なのは、日頃からいわば「企業の健康維持」に取り組むということです。
2005(平成17)年に商法が大きく改正されました。新しい会社法では、事業再生を視野に入れ、さまざまな点で規制の緩和が行われています。ただし、これをどうやって活用するかという運用のレベルは、まだ煮詰まっていないのが現状です。
前述したように、企業が元気でいるためにはキャッシュフローが重要。これは特に中小企業にとっては存亡にかかわる問題です。昨年12月に改正金融機能強化法が成立しました。この法の目的は経営が悪化する金融機関の救済ではありません。あくまでも金融機能を強化し、地域の中小企業を支援するためのものです。その点においては、国の金融機関に対する姿勢は、従来の「危ないところに貸すな」というのではなく、「貸すべきところに貸せ」と大きく転換しているわけです。
野村修也(Shuya Nomura)
中央大学法科大学院 教授
専門は商法。金融庁顧問、総務省顧問、金融審議会委員、法制審議会(会社法部会)幹事、厚生労働省年金記録問題特別チーム室長、郵政民営化委員会委員などを歴任。森・濱田松本法律事務所弁護士。
中央大学法科大学院 教授
専門は商法。金融庁顧問、総務省顧問、金融審議会委員、法制審議会(会社法部会)幹事、厚生労働省年金記録問題特別チーム室長、郵政民営化委員会委員などを歴任。森・濱田松本法律事務所弁護士。