企業価値評価の指標としても注目される「戦略の実現」
「大量生産がものを言う時代」という、スケール・メリットが必ずしも生かせなくなった米国経済では、過去の延長線上に未来を期待する事が不可能となりました。つまり、新たなビジョンを戦略を通して実現する「戦略経営時代」となったのです。
ここで注目すべき事は、これらが現在の日本企業を取り巻く経営環境に酷似している点です。さらに最近の米国では、株主の企業評価において、決算などの財務データのみならず、「戦略の実現」が重要視されるようになりました。米国企業にとって、「戦略の実現」は企業価値を高める新たな指標なのです。
「ビジョンを戦略を通して実現する」ナビゲーション経営
私が提唱しているバランス・スコアカード(以下、BSC)は、単なる業績評価システムではなく、企業の「ビジョンを戦略を通して実現する」プロセスを「財務」「顧客」「業務プロセス」「人材と変革」等の視点から測定・評価する、戦略志向のナビゲーション経営システムです。
BSCは、ビジョンや戦略を経営トップのみならず全従業員や社員と共有するコミュニケーション機能を持ち、日々の業務に落とし込みます。さらに、BSCを通じてPDCA(Plan-Do-Check-Action)の各プロセスを常にチェックすることで、「戦略の実現」を確実にできるのです。
このように、「ビジョンを戦略を通して実現する」プロセスをモニターし、その実現をナビゲート(見える化)することから、飛行機でいうコックピットにも例えられます。BSCは、財務的業績評価指標のみならず非財務的業績評価指標も重視した、戦略経営時代のナビゲーション経営システムなのです。
「経営の可視化」を可能にするIT
企業経営の「可視化」ないし「見える化」は、企業全体が一丸となって、全員参加の企業経営に向け果敢に挑戦させ、問題発見と問題解決のためのアクションをスピーディに実行し、単なるフィードバックではなくフィードフォワードに基づいたナビゲーション経営を実現するのです。
また、こうした企業経営の取り組みは、昨今、対応が急がれているJ-SOX法やリスクマネジメントへの対応策としても大変有効です。日本企業は、BSCを上手く活用することにより、真の戦略経営を実現し、これまで以上に存在意義を発揮できると思います。




