企業はリーダーの育成に加え 現場の育成に力を入れるべき
日本の企業は現場力が競争力の源泉といわれます。しかし、現場力の中核となる「フォロアー」を育てず、リーダーだけを育成しても、孤軍奮闘して疲弊するだけになってしまいます。逆に、現場の一人ひとりがプロとして力を発揮できる企業は強い。「フォロアー」は正社員とは限りません、アルバイトやパート、契約社員、派遣社員など非正規雇用の従業員も含め、それぞれの考え方を尊重しながら、理念やビジョンを共有するための仕組みづくりが大切になります。
成果主義だけでは成果は生まれない 人材マネジメントのサイクルが不可欠
その要因はどこにあるのでしょうか。一つは、「フォロワー」育成も含めて、全般的な人材育成を怠ったことです。エリートだけを選抜し、リーダー育成をしても会社が動けなければ絵に描いた餅になってしまいます。
もう一点は、人材マネジメントに「サイクル」という考え方が欠けていたことです。プロジェクトにPDCAサイクルがあるように、人材についても、能力を開発し、チャンスを与え、評価し、それに見合った処遇を与えるというサイクルがなければなりません。成長している欧米の企業の中には、数年から10年という単位で、このサイクルをしっかり回すことも珍しくありません。
日本企業の土台が崩壊の危機にある 現場のパートナーとしての人事が重要に
しかし、現在は働く人の意欲や信頼関係が揺らいでいるように思えます。ここで回復しなければ、次に日本が危機を迎えたとき、多くの企業は生き残れないのではないかと感じています。人と人との集まりである組織には、長期的な競争力を維持するために、ビジネスから少し離れた立場にある人事が必要なのです。一人ひとりを「サイクル」の視点で育て、チャンスを与え、長いスパンで企業の成長に貢献する。そうやって人材を育成するのが人事の役割なのです。
今後、その中で人材マネジメントでは情報がカギとなるため、マネジメントシステムをはじめとしたITの力も十分活用すべきです。ただし、やはり人事には属人的な世界における情報力も重要であるため、このIT力と情報力を兼ね備えることが求められます。今後は、現場にも経営者にもパートナーとして頼られる、情報力を持った人事部門のある企業が競争力を高めていくでしょう。




