制作・東洋経済広告企画制作部

企業の全体最適化における間接材コストの戦略的削減の可能性「New Normal」時代の経営戦略

藤沢久美

藤沢 経営者の方々に話を聞くと、景気の先行きは依然として楽観できないという印象を受けます。

小林  最近になって「ニュー・ノーマル」という言葉をよく耳にします。いま世界経済は大きなパラダイムシフトが起こっています。消費行動や企業経営のあり方が、金融危機前とはまったく異なる様相になり、これまでとは違う経営戦略が求められる新たな時代が到来するのではないでしょうか。

藤沢 経営者も発想の転換が求められますが、どのような視点が必要でしょうか。

小林 ROI(投下資本利益率)等の経営目標を達成するうえで、売り上げ拡大は大きく期待できなくなり、これまで以上に顧客や取引先、従業員、株主などすべてのステークホルダーを意識したバランス感覚が大切になります。Optimization(全体最適)の視点が重要になってくるでしょう。

藤沢 売上よりも収益であり、さらにその中身が大切だということですね。しかし、その収益を上げるのが大変です

小林 開発・製造・販売等の基幹バリューチェーンは手が尽くされている感はあります。一方、欧米のグローバル企業が重視してきたのが戦略的経費管理です。とりわけ間接材コストの戦略的削減を経営トップの課題として、全社的・全世界的にステークホルダーを交えて、長期間にわたって行い、大きな成果を上げてきました。日本企業は製造原価管理では世界でもトップクラスの実績がありますが、全体最適の視点で戦略的に間接材コスト管理を行っている企業はまだ少ないようです。

藤沢 欧米のグローバル企業が重視している、間接材コストの戦略的削減というのはどういうものですか。

小林 対象になる分野として、SG&A(一般販売管理費)から人件費、R&D(研究開発)費用等を除いた幅広い支出が考えられます。たとえば、出張・交際費、会議費、携帯電話などの通信費、派遣社員費、広告宣伝費、システム費用、文房具など消耗品・備品の購入費などです。これら間接材コストはPL(損益計算書)上で大きな部分を占めます。欧米のグローバル企業では長期にわたって、一貫した施策を実行することにより、これを10〜20%削減できた例もあり、経費削減が実は収益拡大に大きく寄与しています。

藤沢 それだけの利益を本業で上げようと思うと大変です。特に、経費削減となると大きな痛みを伴います。

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