立正大学 『社会に開かれた学びが「モラリスト×エキスパート」を育む。』

制作・東洋経済広告局企画制作部 
魂を揺さぶる出会いの場
情報メディアセンターでの遠隔授業の様子 講義室スクリーンに車椅子の男性の笑顔が映し出された。進行性難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者久住純司さんである。大阪の自宅から語りかける久住さんの声とそれに応える学生の声が教室に響く。和歌山在住の林靜哉さんは、ベッドの上で微笑んでいる。

 文学部哲学科の田坂さつき准教授と社会学科の田冢袖彌擽擬は、ALS患者や重度の障害者の協力を得て、インターネットを介した遠隔授業を行っている。これは、講義や書物からは得られない生活現場の知の形成を狙いとする、共同研究(平成21年度立正大学石橋湛山記念基金研究助成)の一環である。

 学生たちはこのような授業形態に対して、「顔を合わせることでしか見えないものもあると思う」、「本を読むのとは違った発見があります」と言う。「お父さんみたい」と久住さんに親しみを感じている学生もいる。

 学生たちは夏休みにALS患者との対面交流会や重度障害者施設に研修に出かける予定だ。学生は、病や障害を生きる人たちの生活現場の知を捜し求める。そこには、かけがえのない人との出会いがある。

 障害を持った胎児の中絶や尊厳死が議論される一方、他人の生命を軽んじた凄惨な大量殺人が起こる。そんな現代だからこそ、「『よく生きること』の探求が大切であり、それが一人ひとりの生命倫理の知の創生と深く関わる」と田坂准教授は言う。
田坂さつき准教授(右)と教え子(卒業生)鈴木友子さん(左)
 柔軟な感受性を持つ学生だからこそ、途中で泣き出してしまうほどに、重い課題を正面から受け止めることができる。「魂を揺さぶられるような」体験が出会いの中にある。そして「相手の立場に立って」が虚ろな言葉ではなくなるとき、哲学や社会学などの専門性が本当の意味で社会において生きるのだ。

 昨年、対面交流会に参加した鈴木友子さんは、患者さんたちの人柄に惹かれて、卒業後もなお大学に残り研究を続けている。病気で言葉も不自由になり、文字盤のボードを目で追うことでコミュニケートする人も多い。患者さんたちが「この病気にならなければ、あなたのような学生さんには会えなかった」と話してくれた。「前向きに語る患者さんから、幸せや生きるということを教えてもらいました」と話す。

 講義の終盤、研修先の一つに予定されている福祉施設「訪問の家・朋」とインターネット中継がつながった。クッキー作りという作業内容を紹介してと言われて、懸命に伝えようとしている重度の障害のあるメンバーの姿を映す画面を、学生たちは引き込まれるように真剣に見つめる。その紹介が終わると、教室と施設双方から、拍手と歓声。心の中で何かが生まれた。講義を受けていた約30人全員が、中継の最後には、画面に向かって手を振っていた。
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